092-562-9233
私はもともと、大手企業で肉屋やスーパーへ食肉を卸す仕事を7年間していました。毎日たくさんのお客様と関わる中で、肉の知識や仕入れ、人とのつながりを学ばせていただきました。その後、一度は別業種へ転職しました。しかしある日、昔のお客様だったステーキ店の方から一本の電話をいただきました。
「どこかで肉を買って、持ってきちゃらんね」
軽いお願いのような一言でしたが、それが私の人生を大きく変えるきっかけになりました。近くのスーパーで肉を買い、お店へお持ちすると、「次からもお願いね」と言っていただきました。その言葉が嬉しく、「もう一度、肉の仕事をやってみよう」と決意しました。
とはいえ、当時は資金も設備もありません。食肉販売許可について一から調べ、当時住んでいた家賃5万円の借家のキッチンに冷凍ストッカーを置き、営業許可を取得。そこから小さく商売を始めました。
もちろん、最初から順調だったわけではありません。スライサーやミンチ機を買う余裕もなく、昔のお客様だった肉屋さんやスーパーへ行っては、「この肉、スライスさせてー」「ミンチさせてー」とお願いして回る毎日でした。
保管する冷蔵庫も足りず、「少し置かせてください」と頼み込むこともありました。本当に、多くの方に助けていただきながらのスタートでした。
それでも、お客様がお客様を紹介してくださり、少しずつ得意先が増えていきました。そして、借りていた冷蔵庫では追いつかないほどになった頃、あるお客様から声をかけていただきました。
「横の店舗が空いたから、隣に来ないか?」
こうして、初めて自分の店舗を持つことになりました。13坪、家賃6万円。忘れもしない、初月の売上は100万円、仕入れは90万円。「これは最初から潰れるかもしれない」と本気で思いました(笑)。それでも、お客様に合わせた価格と品質に徹底して向き合い続けました。
利益よりも、「頼んでよかった」と思っていただける仕事を積み重ねることを大切にしてきました。すると、また紹介でお客様が増えていく。その繰り返しで、今があります。振り返れば、私一人の力でここまで来たわけではありません。困った時に助けてくださったお客様、仕入れ先の方々、仲間たち。本当にたくさんの人に支えられて、今の私たちがあります。
これからも初心を忘れず、「安心して任せてもらえる肉屋」であり続けたいと思っています。